日々の生活の中、皆さんは小さかった頃の記憶が蘇ることはありますか?
未知のものに対する期待に心を躍らせ、偏見や美辞麗句とは無縁だった頃の記憶が、そこにはあるかもしれません。
時と共に経験を重ねた結果、何かを疑ってみたり、行動の結果が予測できるようになることで、驚きや感動も薄れていく。大人になるとはそうことなのかもしれません。欲を言えば何かを得ながらも失いたくないものもあります。
私の場合、子供の頃の純粋さの一部は失うことなく大切に備えておきたいと感じており、絵を描くという行為を通してその感覚を補完しています。私自身が描くというより、記憶の内に存在する無垢な私の一部が描いているのです。その存在こそがNENEであり、一連の作品の制作者です。
私の創造において重要なのは、実生活を持つ大人びた私自身ではなく、私の内に確立されたNENEによる童心のリメイクなのです。
©︎ 2024 NENE